『マイナー音楽のために―大里俊晴著作集』刊行


マイナー音楽のために―大里俊晴著作集

マイナー音楽のために―大里俊晴著作集


◆体裁
46判(タテ188ミリ×ヨコ130ミリ)上製528頁 税込定価3,360円(本体価格3,200円)


◆帯文
ジョン・ケージジョン・ケールはミュージックとマッシュルームの関係よりも近いかもしれない。
音楽学者/ロック・ミュージシャン、大里俊晴の思考の軌跡を集成。現代の音楽批評のスタートラインと臨界点とを同時に示す、著者最初で最後の評論集!
「稀な資質と奇妙な愛情と大胆な発想と単独者の倫理を持った音楽批評家・美学者」(細川周平「解説」より)。


・・・阿部薫、アントナン・アルトー、イアニス・クセナキスヴェルヴェット・アンダーグラウンドコレット・マニー、ジャックス、ティム・バックレー、パティ・ウォーターズ、ブルー・チアー、ジェラール・マンセ、ファントム・ギフト、イマ・スマク、デレク・ベイリーフェデリコ・モンポウジョン・ケージルー・リードジョン・ケールコーネリアス・カーデュー、ラ・モンテ・ヤング、アンディ・ウォーホルフランク・ザッパフランツ・カフカジル・ドゥルーズジョン・ゾーン、マウリシオ・カーゲル、ヴィクトル・セガレン、オーネット・コールマンジャック・デリダグレン・グールド、フリードリッヒ・グルダ、ジャチント・シェルシ、ジョエル・レアンドル、小杉武久、タージ・マハル旅行団、グローブ・ユニティ、高橋悠治坂本龍一、ピエール・シェフェールソニック・ユース、マーカス・ポップ、ゲダリア・タザルテス、コンロン・ナンカロウ、リュック・フェラーリカールハインツ・シュトックハウゼン、平石博一、小野洋子早川義夫、セルジュ・ゲンスブール、グレン・ブランカペンギン・カフェ・オーケストラ、カン、ポール・ボウルズブライアン・ジョーンズ、清水俊彦、長岡鉄男ルイ=フェルディナン・セリーヌ青山真治平岡正明マルティン・ハイデガールドルフ・シュタイナー間章・・・


◆目次

PRIVATE CHART 10


第一部
●音楽への求愛
全ての抑圧に抗してコレット・マニー、その生涯と芸術
保守反動の愉しみ 或いはジェラール・マンセについて
ポストモダン、ポップ、レトロを巡る覚書
レーベル・イメージを覆す、我が愛しの"躓きの石"たち
「好き」と言えなくて フェデリコ・モンポウ「ムジカ・カラーダ」
●音楽の異種交配
プリペアード・アンダーグラウンド あるいはケージはいかにして"地下鉄"に乗ったか、その他
FZ あるいはマイナー音楽について
JZからの/への迂回
オーネット・コールマンは電話(ダイアル)する
グールドよりグルダへ 二人の越境者のためのエスキス
理性の果ての恍惚へ ジョエル・レアンドルの二枚のアルバム
アノニマスな音のユートピア
グローブ・ユニティ『インプロヴィゼーションズ』
●〈現代音楽〉の臨界点
ADORNOアンケート
ミュージック・コンクレートの栄光と悲惨 ピエール・シェフェールを中心に
現代音楽とロックはどのようにしてかかわり合うことができるのか
見え隠れする人間主義への誘惑
音楽、情報、環境
ゲダリア・タザルテス 領域を超えて彷徨い続けるパフォーマー
自動ピアノの狂気 コンロン・ナンカロウのパリ・コンサート
楽しい迷宮へようこそ・・・宮岡秀行監督「リュック・フェラーリ/ある抽象的リアリストの肖像」
問題は依然として手付かずのまま投げ出されている シュトックハウゼンの音楽の本質について
平石博一、或いは"音楽以前"
私は一五分だけフルクサスだったことがある
●声と言葉
声をめぐる断想
声とその影 二重音唄法のプロブレマティック
声を聴く 声の主題による連想ゲーム
早川義夫賛江
言葉を乗り越える過剰な身体
作詞講座"あなたもゲンスブールになれる"
●音楽のトポグラフィ
ロックと非-西欧 不自然な共犯関係を
極地でお茶を ポール・ボウルズと音楽を巡るディヴェリティメント
"世界"の奇妙さについて モンド・ミュージックを読む
●批評家たち
追悼 清水俊彦 終わりのない冒険にむけて
倫理的な少年 長岡鉄男あるいは不可能なオーディオについて
セリーヌシャンソンを巡って
間章氏めぐる魂の交感 追悼コンサート「12+12=24」
AA未明の思索家 間百合の霊に捧ぐ
ジャズ批評の七〇年代 間章平岡正明を中心に
『AA 音楽批評家・間章』上映に寄せて


第二部
●ワールド・カルチュア・マップ/フランス
ダバダバダから始まる話 ブリジット・フォンテーヌとサラヴァ・レーベルのこと
不思議の国のルイス・キャロル あるいはパリのカナダ人たち
無用に囚われて ジェラール・マンセ或いはジャンル・マカーブル
新譜二・五題 アントワーヌ・トメ、ジャン・ヴァスカ、ダヴィット・マクネル
ペール・ラシェーズに知覚の扉は開いたか ジム・モリソン二〇周忌について
ワールド・ミュージックvsフォルク・ミュージック イントロ篇
ミュージシャンたちの秘められた関係について クローディア・フィリップ、エリ・メデーロス
不真面目さの彼方に ボビー・ラポワント
パリ―ブエノスアイレス あるいは、私は如何にしてある作家の残したレコードを手に入れることになったか
オジサンたちは開き直る ジャック・デュトロン、ニーノ・フェレール
自明なものを語ることの困難についての対話 あるいはシャンタル・グリムについて
形而上学的ケージ事情案内 フランス編
ジャンヌ・ダルクと黒髭 ジャック・リヴェットの新作を巡って
「地に墜ちた愛」は地に墜ちたか リヴェットの作品のヴァージョンを巡って
シャンソン・フランセーズを巡る二冊の本『シャンソンのアーティストたち』『フランス・シャンソンの50年』
ロベール、セリーヌチェッカーズ あるいはフランスのマック事情について その1
ジョイスによるジャズ アンドレ・オデール『アナ・リヴィア・プリュラベル』
苦いサラエボ サラエボ組曲 あるいは燃え上がる図書館について
ヴェトナムから(もフランスからも)遠く離れて インドシナワールドミュージックの可能性?
●フランス・フリージャズ・レトロスペクティヴ
資料の山をひっくりかえしていたらサラヴァ・レーベルについてもっと知りたくなった
非ー場 あるいは虚の響
"想像的民族芸能探求協会"探求その1
"想像的民族芸能探求協会"探求その2
"想像的民族芸能探求協会"探求その3
猫とインディアンと北大西洋条約機構―あるいはNATOレーベルについて
猫とインディアンと北大西洋条約機構―あるいはNATOレーベルについて その2
猫とインディアンと北大西洋条約機構―あるいはNATOレーベルについて その3
フランス・ベーシスト群像
●マンガ家たち
倉多江美ムダ無駄帳
『棒がいっぽん』高野文子
高野文子 アイデンティティーなきアイデンティティ
一條裕子 肥大する些末主義
喜国雅彦 谷崎を読む梶原一騎
やまだないと 性を通じてさらに深い夜へ
山本直樹 抒情と猥雑を原点として
鈴木志保 惨劇の後に流れるメロディー
鈴木志保と惨劇の後の世界
終末から歩み出す 解題にかえて
●彼自身による弁明
大学は閉じてはいけない
反動ジジイとして生きる
●初期文集
飽和都市における音楽の不可能性に関する考察
「Free Music Space」のチラシから
役立たずの彼方へ
役立たずの彼方に 第2回
役立たずの彼方に 第3回
役立たずの彼方に 第4回
参加者アンケート
I SING GUITAR ELECTRIC―フリー・エレクトリックギター症候群


解題 あるいはライナーノート 須川善行
書誌
大里俊晴(1958-2009)年表
解説 躓きの音 細川周平


◆奥付

二〇一〇年一一月一七日初版第一刷発行
著者 大里俊晴
企画 渡邊未帆
編集 須川善行
編集協力 君島龍太朗 工藤遥 今野克哉
ブックデザイン 宮一紀
発行者 神林豊
発行所 有限会社月曜社

ウラゲツ☆ブログ
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